外壁塗装前に最低限知っておくべき塗料の4分類と耐用年数
屋根や外壁の塗り替えでは、下塗り、中塗り、上塗りの3度塗りが基本です。まず、下塗りではシーラーやフィラーと呼ばれる塗料を塗ります。シーラーやフィラーはプライマー(”最初に塗るもの”という意味)と呼ばれることもあります。
シーラー | 下地(外壁仕上げ材など)と上塗り塗料との接着を向上させるために塗ります。塗料が下地に染み込むのを防いだり、下地のアクが塗料に染み出してくるのを抑えます。 |
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フィラー | シーラーより密着性は劣るが、細かな傷や穴を埋めたり、凹凸面を平滑に近づけることができます。シーラーとフィラーの機能を併せ持つ微弾性フィラーがよく使われます。 |
下塗りが終わったら、仕上げの塗料を中塗り、上塗りと2回塗装します。仕上げの塗料は種類が豊富で、安いものと高いもので1缶数万円の差があります。耐久性は塗料の主成分である樹脂によって変わり、主に次の4つに大別できます。
樹脂の種類 | アクリル系塗料 | ウレタン系塗料 | シリコン系塗料 | フッ素系塗料 |
---|---|---|---|---|
耐用年数目安 | 4~7年 | 7~10年 | 10~15年 | 15~20年 |
価格 | 安い | やや安い | やや高い | 高い |
塗料にはそれぞれメリットとデメリットがありますので、性能、耐用年数、価格などを考慮して選択する必要があります。
中には遮熱性能を持たせた塗料や、太陽光で汚れを浮かせて雨で洗い流すことができる光触媒塗料などもあります。材料代が高額になりますが、家の環境によっては選択肢に入れてもよいと思います。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
アクリル系塗料 | ・価格が安い ・耐水性、耐アルカリ性に優れている ・透明な性状で調色しやすい |
・耐久性、防汚性、耐紫外線性が弱い ・色あせが早い ・塗り替え頻度が多くなる |
ウレタン系塗料 | ・価格と性能のバランスがよい ・柔らかく密着性が高い ・対候性、耐水性、耐薬品性がよい |
・耐久性、防汚性が弱い ・紫外線に弱く変色が早い |
シリコン系塗料 | ・コストパフォーマンスが高い ・耐久性、防汚性が高く美観保てる ・透湿性に富む |
・弾性が低くひび割れに弱い ・重ね塗りを弾きやすい ・価格が高め |
フッ素系塗料 | ・コストパフォーマンスがよい ・耐侯性、耐久性がとても高い ・耐熱性、耐薬品性、撥水性が高い |
・価格が高い ・一般住宅には過分な性能かも ・シリコン系より防汚性劣る |
遮熱塗料 | ・夏、室内を涼しい環境にできる ・冷房費の節約に繋がる ・耐久性が高いものもある |
・価格がとても高い ・濃い色にすると性能落ちる ・実績少ない |
光触媒塗料 | ・防汚性が非常に高い ・耐久性が高い ・空気浄化機能がありエコ |
・価格が高い ・光が当たらないと効果なし ・塗り重ねに制限出るかも |
塗装工事の場合、労務費(職人さんの手間賃など)や諸経費が工事金額の大半を占めるため、材料価格が2倍になったからといって工事金額も2倍になるということはありません。高性能の塗料は高価ですが、塗り替え年数で割るとコストパフォーマンスに優れていると言えます。
しかし、コンクリート下地のようなヒビが入りやすい外壁では、せっかく耐久性に優れた塗料を使っても、塗膜の寿命前に亀裂が入ったら意味がありません。サイディング外壁の場合もシーリング(コーキング)の寿命が約10年なので、打ち直しで足場を設置するサイクルも考慮する必要があります。
耐久性で塗料を選定する際には、屋根の塗料、壁の塗料、樋や金物など部材の寿命を合わせておき、1度の足場設置で外観のメンテナンスが一通りできるように計画することが大切です。
塗料選びで大切なこと
・高性能の塗料は高価だが費用対効果に優れている
・高耐久性なら良いというものではなく、他の部材の寿命も考慮して選ぶ
・見積もりに入っている塗料を選定した理由を業者に確認する
良い塗料を安く使うには相見積もり必須
性能が良い塗料は材料費が高くなりますが、できるだけコストを抑えるには複数社に見積を依頼して比較することが大切です。少なくとも3社以上から話を聞くことで相場が見えてきます。
その際、注意が必要なのは安過ぎる見積もりです。安い見積もりに飛びついて契約し、工事で見積もりと違う塗料を使われたり、重ね塗りの回数を減らされたり、手抜き工事をされたら後で困ることになります。あくまで相場と比較して合理的な金額の中から最安値を選ぶようにします。
屋根・外壁塗装の見積を安くする方法
外壁や屋根の塗り替えをする時は、複数社見積もりが必須です(おすすめは3社以上)。
︎比較検討することで工事内容と価格、両方合理的な提案をしてくれる会社を見つけることができます。
すでに業者から見積もりをとった方は見積もりの項目の意味がわからない・妥当な価格なのかわからない方が多いのではないでしょうか。
まずは見積もり事例を参考にして、価格が適正なのか判断してみてください。
ここでは見積もり事例を見ながら問題点や価格相場について解説しています。
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